教育よもやま話第6号(6月21日配信号)

タイトル 教育よもやま話第6号
本 文 【教育よもやま話第6号】〜松井直輝の教育に役立つメルマガ〜

6.幼児期に一番大切なこと その1 「ツ」のつく間に基礎工事

いやな事件が後を立ちません。
私たちはこのような事件から多くを学ばせて頂いています。
その中で夫婦ばらばら殺人事件がありました。
とてもショッキングなニュースでした。
妻が夫を殺害し、ばらばらにして隠ぺい工作を図った事件です。
私の妻も「どうやって女性が力強い男性を殺害したのかしら。」と疑問を抱きテレビを観ていると、「寝込みを襲った。」という報道が流れ、妻は「こわ」と眉をひそめていました。
その姿を見て、「お前が怖いわ。」と思ったのは私だけでしょうか。
冗談はさておき、この夫婦ですが、どちらもよいご家庭のお子さまでした。
お金をかけ塾に通い勉強をしっかり行い、良い大学に入り、立派な会社にお勤めでした。
ご主人は年収も相当あったらしいですね。
いわゆるエリートです。
エリートは失敗をあまり経験せず、プライドが高く、何事も自分の思うがままに進んできたのでしょう。
幼いときから勉強だけを行い、学力はあるのですが、人間力に欠けています。
自分の思うように行かないことに耐えられなかったのでしょう。
切れてしまい、夫は妻に暴力をふるい、妻は夫を殺害してしまったのです。
もう少し人間力を鍛える家庭環境があればこうはならなかったと思います。

こんな事件もありました。
兄弟ばらばら殺人事件です。
兄が妹を殺害し、ばらばらにし、隠ぺい工作を図った事件です。
ご両親は二人とも歯医者です。
お金をかけ子どもを塾に通わせ勉強をさせていました。
一番上の兄はエリートコースです。
しかし次男の彼はエリートコースから外れてしまい、切れて殺人事件を起こしてしまいました。
歯科医にならないと両親や、周りの人たちから認めてもらえないと思い込んでしまっていたのでしょう。
幼いときから勉強だけを行い、学力はあるのですが、人間力に欠けています。
自分の思うように行かないことに耐えられなかったのでしょう。
切れてしまい、妹を殺害してしまいました。
彼も、もう少し人間力を鍛える家庭環境があればこうはならなかったと思います。

奈良の放火殺人事件がありました。
父親は医者です。
息子に大きな期待を寄せていました。
何がなんでも医者にしたかったのです。
そのために学力のみを鍛えました。
その期待に押しつぶされて自分の家に放火をして、母親や兄弟を巻き込んでしまった事件です。
このケースも、幼いときから勉強だけを行い、学力はあるのですが、人間力に欠けています。
自分の思うように行かないことに耐えられなかったのでしょう。
切れてしまい、放火をしてしまいました。
彼も、もう少し人間力を鍛える家庭環境があればこうはならなかったと思います。

昔から「知」「徳」「体」といいます。
知は学力です。
体は体力です。
そして徳は人間力です。
これをバランスよく伸ばしてあげないといけません。
では、いつまでにどのように何をしたらいいのでしょうか。
「ツ」のつく間に基礎工事といいます。
「ツ」のつく間とは「ココノツ」つまり9歳です。
9歳までに人間の基礎工事が出来上がります。
9歳とは4年生です。
児童の発達心理学では、「4年生の壁」といいまして、4年生を越えると社会人として適応できるといわれています。
逆に4年生の壁を越えられないと社会人として生活できないということです。
また大脳生理学では大脳は9歳でほぼ大人と同じ大きさに成長すると考えられています。
森信三先生も「しつけはツのつく間」といっています。

私の友人に「黄(こう)さん」という友人がいます。
彼は華僑で、マレーシア人です。
華僑ですから家庭では中国語を話していました。
マレーシアで生まれ育ちましたから当然マレーシア語を幼いときから聞いていました。
さらにアレーシアは英語圏です。
英語も幼いときから聞いていました。
現在彼は日本人の女性と結婚し、日本語・英語・マレーシア語・中国語二種類の五ヶ国語がぺらぺらです。
私は13歳のときに英語を学びました。
中学1年生です。
ツのつく間はとっくに過ぎてしまいました。
これを手遅れといいます。
しかし努力すれば何とかなります。
私が10の成果を出すのに100努力したとしましょう。
黄さんが同じ10の成果を上げるには10の努力ですみます。
基礎工事ができているからです。
もし彼に人間力があり、私と同じ100の努力をしたなら私は彼には勝つことができません。
実際彼は相当努力し、語学を身につけました。
特に日本語は難しかったそうです。
当然です。
基礎工事がなかったからです。
しかし、愛があったのでそれをカバーできたのでしょうね。
音楽が得意な親は幼いときから音楽環境を整え、クラシックを聞かせたり、コンサートに連れて行ったりするでしょう。
こうして音楽の基礎工事ができるのです。
クラシックは子どもに理解できないかもしれません。
しかし本物は確実に子どもの脳に刻まれ基礎となります。
サッカーが好きな人は子どもが走れるようになったらボールを蹴らせるでしょう。
イチローは3才の時から野球を始めました。
ポイントは環境です。
どのような環境に子どもを置くかが大きく影響します。
しつけもツのつく間です。
これが人間力の基礎となります。
態度教育です。
よき環境を。

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