教育よもやま話第13号(9月1日配信号)

タイトル 教育よもやま話第13号
本 文 【教育よもやま話第13号】〜松井直輝の教育に役立つメルマガ〜

13.言うことを聞かない子どもたちの関わり方。

中学生が2階から机や椅子などを投げて遊んでいます。
皆さんどうしますか。
当然「やめなさい!危ないでしょう。」と注意しますね。
そこで質問です。
注意したらその子は2階から物を投げるのをやめますか?
答えは「NO」です。
注意してやめるような子は、はじめからそんなことはしません。

皆さんに質問です。
今まであなたのお子さんに、叱った回数とほめた回数はどちらが多いですか?
さらに質問です。
あなたはあなたの親から叱られた回数とほめられた回数はどちらが多いでしょうか?
多くの人は叱られた回数が多いと答えられます。

私は昭和37年生まれです。
この時代に生まれた人は根性がありました。
アタックNO1や巨人の星、柔道一直線のようなスポコンを観て育った世代です。
しかしハングリー精神はありません。
もう一世代前の人たちはそのような時代背景でした。

日本という国は序列の国でした。
家族制度の中にも上下関係があり、「よろしくお願いします。」という文化でした。
ほめられることより、欠点を指摘されそれを正していく教育でした。
その中には両親や、師匠、先生の大きな愛がありました。
この愛があるからこそ頑張れたのです。
別な言い方をすると「恥の文化」とでも言いましょうか。
両親に恥をかかせてはいけない。
師匠に、先生にこんな惨めな姿を見せられないという「恩」の文化でした。
しかし戦後このような文化は崩壊しました。
アメリカには「よろしくお願いします」という概念がありません。
この言葉を英語に訳せないのです。
アメリカの上下関係は力関係です。

今時代が大きく変わりました。
昔は中学のクラブ活動で「アホ・ボケ・カス指導」が効果的でした。
「やる気がないのなら帰れ!」と言われれば「まだまだ頑張ります。」と言って根性を見せたものです。
今は違います。
「帰れ!」と言えば「ハイ」と言って本当に帰ってしますのです。
指導者は大慌てです。
「ほんまに帰ってどないすんねん。食いついてこんかい。」と思っても後の祭りです。

幼稚園の入園の集合写真撮影のときの出来事です。
皆が並び写真を撮ろうとしたとき一人の子が段の上から飛び降り写真撮影の邪魔をします。
皆さんはどうしますか。
当然注意しますね。
しかし注意してやめる子ならはじめからそのような行動はしません。
そこで私はこのように対応しました。
「もう一回飛んでみ。おお、なかなか上手に飛べるな。もう一回飛びや。おお、元気やな。もう一回飛びや(この辺で子どもの表情は変わってきました。少し怪訝な表情です)やるな。○○君すごいな。もう一回飛んでみ。OK。よし、写真とるからそこに立っといてな。」と言うと、その子はきちんと立ち、写真撮影ができました。

子どもが頑張るには心の中に「ストローク(心理学の専門用語で「心の栄養」)」が必要です。
ストロークとは刺激です。
刺激とはほめられるようなプラスの刺激と、叱られるようなマイナスの刺激があります。心の中にマイナスの刺激しかないと、頑張れないのです。
2階から物を投げるような子。
うろうろして、いうことを聞かない子は心の栄養がマイナスばかりたまっているのです。そのようなCパターンの子はまず認めて、ほめて、心の中にプラスのストロークをためてあげないと頑張れないのです。

アメリカ大リーグの教育法です。
ファーストステップは、とにかくほめます。
君のバッティングはすごいね。
足も速いし、守備もうまい。
すごい選手になれるよ。
セカンドステップはその中でも一番上手なところをほめてあげます。
君のスローイングはすごいね。
大リーグでもトップクラスだ。
サードステップではじめて欠点を指摘します。
しかし、ひじをもう少し上げるともっとうまくなるよ。

いかがでしょうか。
今子どもが育っている時代はアメリカ的です。
昔のような大きな愛に包まれている実感はありません。
残念ながら恥の文化もありません。
その中で、昔自分がされたように叱って叱って叱り飛ばして、反骨精神を期待してもダメです。
つぶれてしまうのがおちです。
ほめると言うことを意識してみませんか。
子どもは変わりますよ。
ご参考まで。

バックナンバー一覧に戻る